「創造の柱」

　鉄の造形作家とのコラボレーションによるインスタレーション。高さ5～6mの鉄の柱の上方に空間を斜めに斬るように、ワイヤーでネオン作品を中空に浮かしたように配置しました。まるで暗闇や廃墟にかすかに、霧の中に光るように絶妙なる心地よい調和を意識しました。続いて、AD＆Dギャラリーで展示。そこはレンガ作りの古ぼけた空間でニューヨークのソーホー地区のギャラリーを思わすような建物でした。「唯一、その空間でしかできないものがある」と作品を再構成。真っ黒でさびれたような空間に、壁に当たる光の反射を考慮し照度から色のトーンを、デザインとしてはより立体的な手法で、空間に光る何かの象徴になるように考慮しました。こういった熟慮を重ねた制作から配置で、人はどのように印象を受けるのか。その効果は十二分に発揮されました。私が空間演出にまい進していくエポックメーキングとなりました。尚、この作品は21世紀協会の会長賞を受賞しています。